落とした「。」の拾い方

「。」を探す日々

月と海と火のおはなし

 

萩の月みたい!」

 

春の夜の代名詞である朧月が

 

銘菓にみえてしまう私と

 

「おいしいよね!」

 

と笑ってくれる彼のおはなし。

 

 

庭にイスやらテーブルやらを広げる。

 

火を起こす彼を応援しながら

 

私は花壇のチューリップや

 

近くのダンゴムシを眺める等する。

 

「あつもりみたい!!!」

 

地面に佇むプロテイン容器を指さし言うと

 

「そうだよ、ここはあつもりだよ!」

 

と返ってくる。

 

ゲーム内の彼の庭にも

地面にプロテインが置いてあるのだ。

 

 

ランタンがえらく気に入った私のために

近くに椅子を置き専用スペースも作ってくれる。

 

 

ラム肉を焼きながら某人気キャラの名前を呟くと

同じような言い方で真似をしてくれる。

 

 

世界を肯定してくれるのは

わたしにとって希望である。

 

 

さて少食な私たち、

「意外と食べれなかったね…!!」

と笑い合いつつ、

近くの海へ散歩に行くことに。

 

 

「小さい頃ここで……」

 

 

心地のいい波の音をBGMに

彼の話に耳を傾ける。

 

 

普段寡黙な彼が、

私といると楽しそうで

口から言葉が出る度に

嬉しくなってしまうのは

きっとこの先も変わらない。

 

 

汐風、磯の香り、大量の牡蠣の殻、

距離感掴めず海につっこんだ右足、

 

 

 

全てが私を包み込む。

 

 

 

さて、右足を乾かしながらの帰路、

お気に入りのランタンを持つわたし。

 

 

深呼吸しながら見上げた空に

 

霞がかる月がみえる。

 

 

朧月か、春だなぁ。

 

と言えば教養と情緒がでたものの

 

真っ先に口から飛び出したのは

 

萩の月みたい!」

 

と幼稚園児顔負けの例え。

 

「おいしいよね!」

 

と笑ってくれる彼。

 

笑ってくれてよかった…と安堵の私。

 

お土産お菓子の話に花が咲く。

 

彼の笑顔が私の最高のエネルギーなのは

 

ここだけの秘密にしておくことにして、

 

 

無事に帰宅した私たちは

 

片付けシャワーを淡々とこなし

 

もうすぐ昇って来そうな太陽を横目に

眠りにつくのであった。

 

 

先程彼に聞いてみた

 

 

「昨日の月、なんていうか知ってる??」

 

「月の名前なんて朧月しか知らないなぁ」

 

「正解だよ!それだよ!!」

 

ということで

 

口に出して共通理解を深めることも

大切なんだなと思う

 

今日この頃のわたしたちでした。

 

 

カメラの限界を感じながら撮った写真たち。

 

 

ランタンスペース


f:id:ppp__23:20200506135046j:image

 

いかとかれ

f:id:ppp__23:20200506135138j:image


食べたいと言っていたチョコをもらった

わたしも違うチョコをプレゼントで持ってきていた


f:id:ppp__23:20200506135310j:image

 

 

頑張ってくれて眠っている彼を背に

 

こんな文章を書くのも

 

また素敵な時間だなと

 

ショートスリーパーな私は思うわけです。